▼0038 FDレンズ資産

 カメラの世代交代で裏切られたものの、廃棄するのは勿体なく、押し入れの中で眠っていた旧世代のレンズ。再び脚光を浴びる時代が来るとは、果たして誰が予測していたでしょうか。

 自宅に残っていたレンズもありましたが、大半はヤフーオークションで揃えました。便利な時代が到来したものです。オートフォーカス機構も、電子接点も無くスリムでコンパクト。ここに光学の原点があります。今、フィルムに代わりCMOSイメージセンサーを介して、その光学性能を一つひとつ確かめている最中です。


▼0037 α7Ⅱから“R”へ

 α7RⅢ、α7Ⅲが相次いで発売。α7シリーズは、いよいよ第三世代に突入です。どちらも、大変に好評のようです。特に、量販店でα7RⅢを手に取って確認してきましたが、ファインダーも明るく精細で、他の機能も一段と進化を遂げていました。

 しかし、私のようにオールドレンズを中心に撮影している者にとっては、フォーカス精度や連写機能は、さほど必要としません。愛用のR7Ⅱで十分かと迷っている間に、旧型となったα7RⅡの売値がグングン下がっていきました。遂には、発売時の価格より半額程に下落したので、買い替えに踏み切りました。これまでの愛機は、オークションで譲渡です。

 今までのα7Ⅱと比べて外観は全くと言ってよいほど変わらず、“R”の実感は少なめですが、お気に入りのボディージャケット(ULYSSES製)も使えたので良しです。期待されるのは、裏面照射センサー(Exmore R)と、有効画素数が約2,430万画素から約4,240万画素へ上がったこと、ローパスフィルターレス仕様です。

 忙しくて、まだ撮影に行けていませんが、どんな絵が繰り出してくるか楽しみです。


▼0021 REFLEX LENS 500mm F8

 新しいFDマウントのレンズを手に入れました。Canon Reflex 500mm F8という、1980年製のレンズです。500mmなのにレンズの全長が短く、重量も705gと軽量なのが特徴です。この望遠レンズは反射望遠鏡の原理を取り入れたものです。内部にミラーが仕組まれています。
 安く買えたのは良いのですが、内部はカビが生えていました。早速、分解して清掃したら綺麗になりました。コーティングの浸食や、バルサム切れはなく、幸いでした。復活させたレンズには愛着が湧きます。
 初めは分解の仕方が分からず、ネットで探しても情報がなくて困りましたが、意外と簡単に作業が進みました。早く試したいと思っています。どんな絵が飛び出してくるか楽しみですが、リングボケとか二線ボケとか、かなり癖のあるレンズの様です。また、絞りはF8固定となっています。


▼0011 オリンパス OM10 with ZUIKO 50mm F1.4


 1979年発売の、オリンパスOM10です。これは、僕が中学生から高校生の間に使用していた実際のカメラです。レンズはZUIKO 50mm F1.4 が付いています。
 同社のOM2を廉価版にしたのがこの機種で、大場久美子がCMに起用され「キミが好きだというかわりに、僕はシャッターを押した」の文句で、購入を決めた若者は多かったのではないでしょうか(笑)。
 裏蓋を開けると、モルト(遮光や緩衝材として貼られたスポンジ)はボロボロに溶けてしまっています。これは、貼り直すためのキットが販売されていますので修理できます。それ以外の箇所は強固で、当時の工業製品のクオリティーを証明しています。
 レンズはカビが発生していましたので、分解清掃してあります。通電はさせていませんが、電気部品は故障しているかもしれません。 


▼0010 新品でも買えた “New FD レンズ”


 Canon A-1 ボディーもそうでしたが、ヤフーオークションでは未使用のレンズも出品されることがあります。画像は、FD50mmF1.4とFD50mmF1.8です。パッケージには値札が同梱されており、当時の値段が29,200円(税別)と20,100円(税別)と印刷されています。消費税が導入された1989年以降も、生産されていたのですね。

 やはり新品は、本体に全くキズがなくレンズにカビやクモリもなく、大変気持ちのよいものです。しかし、実際に使用するにあたっては、少々年季の入ったレンズの方がオールドレンズを継承しているという感覚が伴って悪くないと思います。安く入手できることが、オールドレンズの魅力でもあります。もし、レンズにカビが生えていたら、自分で分解してクリーニングすることで愛着も沸きます。多少の不具合があったとしても、撮影画像にさほど影響しないことが多いと思います。 


▼0009 少年の頃の夢 “Canon A-1”

 無駄使いと言えばそうかもしれませんが、少年の頃の夢を一つ叶えました!Canon A-1 を遂に手に入れたのです。中学生の頃に憧れのカメラだったのですが、とても小遣いで買える商品ではありませんでしたし、家庭でも簡単には備えることのできない贅沢品だったと思います。
 時は過ぎて38年後、ヤフーオークションに箱入り新品のデッドストック品が出品されたのです。使い込まれた中古品は数千円で購入できますが、全くの新品となると滅多にお目にかかれません。
 新品とはいえ、手元に届くまで経年劣化が心配されました。しかし、その心配は無用でした。誰も触っていないような、少年の頃に購入してたら、きっと同じであっただろう綺麗な状態でした。
 使うのが勿体ないので、しばらくは観賞用に保管したいと思っています。手元のFDレンズが全て装着できるのは頼もしいです。気が向いたら久しぶりにフイルム撮影を試みてもいいかなと思っています。


▼0006 オリンピック公式カメラ認定記念のレンズキャップ



▼0003 使用中のカメラ SONY α7Ⅱ

 SONY α7Ⅱ に Canon のボディーキャップを装着しています。すっかり気分は、勝手に SONY & Canon です。APS-C センサーの NEX-5 でオールドレンズを使用したこともありますが、やはり本来の焦点距離を活かしたく、結論はフルサイズセンサーに至りました。このモデルは、比較的に手に入りやすい価格のカメラですので、オールドレンズを試してみたい者には願ってもないものです。

 レンズアダプターは、KIPONのマクロヘリコイドの付いたタイプを使用しています。少し高価ですが、品質は良いものです。最短焦点距離よりも一歩近づきたい時に、重宝します。

 このアダプター(FD用)は、F1.2の明るいレンズには、金具が干渉して装着できないと言われています。しかし、F1.4以上の New FD レンズ群には問題なく使用できています。



▼0002 New FD 単焦点レンズ スペック表

焦点距離 開放値 発売年 発売月 発売時価格 レンズ(群) レンズ(枚)
絞り羽枚 最小絞り 最短距離 最大倍率 口径 質量
17mm F4 1979年 12月 67,500円 9枚 11枚
6枚 F22 0.25m 0.1倍 72mm 360g
20mm F2.8 1979年 12月 59,000円 9枚 10枚
6枚 F22 0.25m 0.13倍 72mm 305g
24mm F2 1979年 6月 71,000円 9枚 11枚
8枚 F22 0.3m 0.11倍 52mm 285g
24mm F2.8 1979年 6月 40,000円 9枚 10枚
6枚 F22 0.3m 0.11倍 52mm 240g
28mm F2 1979年 6月 64,500円 9枚 10枚
8枚 F22 0.3m 0.13倍 52mm 265g
28mm F2.8 1979年 6月 35,000円 7枚 7枚
5枚 F22 0.3m 0.13倍 52mm 170g
35mm F2 1979年 12月 39,500円 8枚 10枚
8枚 F22 0.3m 0.17倍 52mm 245g
35mm F2.8 1979年 6月 24,000円 5枚 6枚
5枚 F22 0.35m 0.12倍 52mm 165g
50mm F1.4 1979年 6月 32,000円 6枚 7枚
8枚 F22 0.45m 0.15倍 52mm 235g
50mm F1.8 1979年 6月 22,000円 4枚 6枚
5枚 F22 0.6m 0.1倍 52mm 170g
50mm F2 1980年 7月 17,000円 4枚 6枚
5枚 F16 0.6m 0.1倍 52mm 170g
85mm F1.8 1979年 6月 43,000円 4枚 6枚
8枚 F22 0.85m 0.12倍 52mm 345g
100mm F2 1980年 1月 63,500円 4枚 6枚
8枚 F32 0.12m 0.12倍 52mm 445g
100mm F2.8 1979年 6月 34,500円 5枚 5枚
6枚 F32 1m 0.12倍 52mm 270g
135mm F2 1980年 5月 76,800円 5枚 6枚
8枚 F32 1.3m 0.13倍 72m 670g
135mm F2.8 1979年 6月 35,000円 5枚 6枚
8枚 F32 1.3m 0.13倍 52mm 395g
200mmⅠ F2.8 1979年 6月 92,000円 5枚 5枚
8枚 F32 1.8m 0.15倍 72mm 700g
200mmⅡ F2.8 1982年 10月 97,300円 6枚 7枚
8枚 F32 1.5m - 72mm 735g
マクロ50mm F3.5 1979年 6月 44,500円 4枚 6枚
6枚 F32 0.232m 0.5倍 52mm 235g
マクロ100mm F4 1979年 9月 75,000円 3枚 5枚
6枚 F32 0.45m 0.5倍 52mm 455g
 

▼0001 New FD レンズの歴史

▼機械仕掛けの時代

 1954年(昭和34)に、キャノンとニコンより35mm判の一眼レフカメラが一般販売されました。この頃のカメラは、シャッタースピードは本体側で、絞りはレンズ側で設定する機構でした。そして、数々の自動機構に必要となるレンズと本体間の情報伝達は、ピンやスプリングの動作による機械仕掛けで行われていたのです。

 

▼自動絞り
 一眼レフでフォーカシングやフレーミングを行う時、絞り値に係らず常に明るいファインダーであることが期待されます。そのためには、常時は開放状態にあり、シャッターを切った瞬間のみ設定値へ絞り込む仕組みが必要です。この方式を自動絞りといいます。また、シャッターを切った直後に自動で開放状態へ戻ることを完全自動絞りと呼びました。

 

▼TTL開放測光とAE自動露出
 一眼レフで正確な露出計算を行うには、装着したレンズを実際に通る光量を用いることが肝心です。その方法を、TTL(Through The Lens)測光といいます。正確な光量を得るためには、実際に絞り込んでみる必要がありますが、そうするとファインダーは暗くなってしまいます。そこで、絞り羽は開放状態のまま、絞りリングで設定した値を予めボディーへ伝達し、予測される光量とシャッタースピードを合わせて演算させることで露出の適正、オーバー、アンダーを判定する仕組みが考案されました。この方式を、AE(自動露出)といいます。

 

▼FDレンズ

 キャノンのFDマウントは絞り値連動レバーを採用し、レンズとボディー間で双方向の情報伝達を可能にしました。この機構では、レンズの絞りリングを“A”の位置にすることで、ボディ側からも絞りを制御できました。そして、絞り優先AEのほかに、シャッター優先AE、プログラムAE、マルチモードAEが実現することになりました。
 またFDレンズでは、スーパースペクトラコーティングが採用されました。このコーティングは、高透過率、紫外線カット、耐久性に優れた表面硬度、安定した特性などの特徴を備えていると説明されています。

▼FDレンズ

 キャノンのFDマウントは絞り値連動レバーを採用し、レンズとボディー間で双方向の情報伝達を可能にしました。この機構では、レンズの絞りリングを“A”の位置にすることで、ボディ側からも絞りを制御できました。そして、絞り優先AEのほかに、シャッター優先AE、プログラムAE、マルチモードAEが実現することになりました。
 またFDレンズでは、スーパースペクトラコーティングが採用されました。このコーティングは、高透過率、紫外線カット、耐久性に優れた表面硬度、安定した特性などの特徴を備えていると説明されています。

 この新しい接点では、デジタル信号でボディとレンズの情報交換が行われます。結果、FDマウントは互換性を与えられずレンズ遺産となってしまったのです。

 

▼マニュアルレンズの復活

 この世にミラーレスカメラが登場し、介するアダプターによるフランジバックの自由度から、多くのマニュアルレンズが復活する時代を迎えました。古き時代の銘玉と呼ばれたレンズ、なかでも単焦点レンズは、そのポテンシャルをまだまだ引き出せる予感がします。

 あの時、高額で手の届かなったレンズが、今なら手に入ります。そして、自身で撮影を試すことができます。マニュアルカメラ時代を経験したことのある自分としては、ヘリコイドを回転させてフォーカスを合わせるのことに抵抗感はありません。撮影前の儀式のようなものですから。

 電子ビューファインダーならではの、ピーキングや拡大機能に助けられ、今、もう一度あの日のレンズを試すことができます。最新のコーティングが施されたデジタルカメラ専用のレンズには敵わないと言われていますが、でも行けそうな気がしてなりません。

 自分の腕と目で確かめるべく、このサイトを運営していきたいと思います。